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Japan

在ウルグアイ日本国大使館
Embajada del Japón en el Uruguay

 
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ウルグアイ内政・外交:3月

 

1 概要
(1)内政
●1日,ムヒカ大統領は,大統領就任3年目を迎え,16頁にわたる年次報告書を議会に提出した。
●14日,鉄道公社(AFE)のオレジャノ総裁(与党拡大戦線(FA)党Nuevo Espacio派)とシルベイラ副総裁(FA党社会党派)が同公社の運営難を理由に辞任した。
●21日,ムヒカ大統領は,ヘルマン事件(アルゼンチン人作家へルマンの息子嫁が軍政期にアルゼンチンで誘拐され,ウルグアイで身柄拘束・行方不明となった事件)につき,これまで失効法が本件調査の障害となってきたことを肯定する15分にわたるメッセージを上院議会で読み上げた。ウルグアイ政府は事実上,ヘルマン事件に関し道義的責任を負う姿勢を明確にした。
●24日,与党FA党の会議が開催され,5月27日に行われる党首選に,モニカ・ジャビエル上院議員(社会党派),エンリケ・ルビオ上院議員(Vertinent Artiguista),エルネスト・アガシ氏(MPP派),フアン・カスティージョ全国労働総同盟コーディネーター(共産党派)が立候補することが決定された。
(2)外交
●9日,「ム」大統領及びアルマグロ外務大臣は,ウルグアイを訪問したロンカリオロ・ペルー外務大臣と会見し,科学技術や農業,港湾,通商関連の分野における協力に関し協議を行った。
●18~19日,米州開発銀行(IDB)の年次総会がモンテビデオ市で開催され,加盟各国の経済閣僚や中銀総裁等がウルグアイを訪問した。
●20日,米州開発銀行(IDB)総会出席のためウルグアイを訪問していた日本政府代表団はオレスケル社会開発大臣やウルグアイ青少年庁(INAU)会長と会見し,当国が行うプログラム等への日本政府の融資に関し協議した。
●22日,ウルグアイが議長国をつとめる国連人権理事会において,イスラエルのガザ地区における植民の影響についての調査ミッション派遣決議に関し,ウルグアイは賛成票を投じた。
(3)社会
●19日,少なくとも16人の末期患者等がマシエル病院とスペイン病院の看護師らによって安楽死させられた事件が明るみに出た。

 

2 内政


(1)議会及び政府の動き


ア 1日,ムヒカ大統領は,大統領就任3年目を迎え,16頁にわたる年次報告書を議会に提出した。報告書では,経済成長や公的事業への投資による成長と生産性改善及び賃金増額について高く評価する一方,治安等における対策の遅延を認めた他,やり残したことは山ほどあるとして,3年目の2012年に明白な成果を上げることを誓約した。
イ 2日,「ム」大統領は大統領府に電力公社(UTE),燃料・エネルギー・セメント公社(ANCAP),国家水道公社(OSE)の幹部を召集し,具体的な成果獲得に向けた各公社の計画に関する意見交換を行った。


ウ 6日,ボタナ・セロラルゴ県知事は,米国で行われた同県の機材購入に関する競売において何らかの不正を行ったとして告訴された。同県知事は汚点のない交渉であったとし,全面対決する構え。


エ 8日,コロラド党党首に史上初の女性党首となるマルタ・モンタネル下院議員が就任した。


オ 13日,両院議会が開催され,1日に「ム」大統領が提出した年次報告書に関し協議,野党は「ム」大統領の政策運営につき,言葉ばかりが先にでて実行が伴っていないとして厳しく批判した。


カ 14日,鉄道公社(AFE)のオレジャノ総裁(FA党Nuevo Espacio派)とシルベイラ副総裁(FA党社会党派)は,同公社の運営難を理由に辞任した。ピンタード運輸公共事業大臣は16日,ホルヘ・セテリッチ氏とアルバロ・フィエロ氏をそれぞれ次期総裁,副総裁に任命する旨の記者会見を開いた。今後両氏は議会での承認後,同職に就任する予定。


キ 24日,与党FA党会議が開催され,5月27日に行われる党首選に,モニカ・ジャビエル上院議員(社会党派),エンリケ・ルビオ上院議員(Vertinent Artiguista),エルネスト・アガシ氏(MPP派),フアン・カスティージョ全国労働総同盟コーディネーター(共産党派)が立候補することが決定された。


ク 25日,コロラド党は,少年法適用年齢引き下げキャンペーンに関し,本件をめぐる国民投票を可能とするため既に35万人の署名を集めたことを発表した。


(2)教育関係


ア 23日,モンテビデオ県内の中等教育校と技術専門学校(UTU)は,校舎のインフラ整備不足等を理由に抗議行進を実施した。24日,中等教育教職員組合(ADES)は,同県中等教育校において26~29日までストを実施し,授業を行わないことを決定した。さらに,26日,県内8つの中等教育校の教職員,親,学生が抗議行進を行った。


イ 「ム」大統領は,技術専門学校(UTU)を中央教育審議会(ANEP)から独立した機関にし,その権限の拡大及び予算分配の簡易化を図ることを提案。与党FA党は右提案を支持していないにもかかわらず,同大統領は本件に関する法案を議会に送付するとしている予定。


ウ アンケート調査会社Cifra社によると,ウルグアイ国民の32%が政府の教育問題運営を支持,48%が支持していない。また,教育問題に対し,国民の30%は政府が合理的な政策を行っていると回答したのに対し,労組が合理的と回答したのは24%であった。


(3)厚生省関係


17日,ウルグアイのマシエル病院とスペイン病院において,計16名の患者がそれぞれ3名の看護師によりモルヒネの不当な投与等により殺害されていたことが発覚した。これを受け19日,ボノミ内務大臣及びベネガス厚生大臣は記者会見を開き,両病院での監査の開始を発表。野党は,厚生省の責任を追及し,議会の公共保健委員会におけるベネガス大臣の説明を要求,同大臣は22日,これに対し同委員会で説明を行った。右説明において,内務省は本件の容疑者を既に2ヶ月以上前から調査し始めていたにもかかわらず,厚生省は本件について17日まで全く知らされていなかったことが明確にされ,両省間の調整不足が浮き彫りとなった他,ベネガス厚生大臣とブリオッソ厚生次官の不仲が明確になる等した。また,野党は同大臣の退任を要求したが,政府は同大臣を全面的に支援していくことを発表した。


(4)労働関係


ア 8日,金属労協(Untmra)と建設労組(SUNCA)は,2009年末から工場操業停止中のセラミック会社Metzen & Senaの従業員とともに,工場の再利用を要求するため,過去1年で3度目となる大型動員を実施し,9,000名がモンテビデオ市内を行進した。


イ 現在,与党FA党は,労組運動参加による欠勤が労働者の勤勉手当に影響を与えないようにするための法案を作成中。既に全国労働総同盟(Pit-Cnt)と労働社会保障省の間では本件合意に至っており,3月中に議会に提出される見込み。


ウ 現在政府が進める公務員法規改正に関し,政府は改正内容について公務員同盟(COFE)と協議しているものの,未だに合意できていないことから,3月に予定されていた改正案提出を4月まで延期することを発表した。


エ 21~22日,モンテビデオ県職員組合(ADEOM)とモンテビデオ県庁間の労働協約締結について,組合員8,500人中3,000人が投票し,賛成1,801票,反対1,057票で本件協約締結の方向で進むことが確認された。しかし,23日に開催されたADEOM年次会合において,少数過激派が本件の合意に強く反発,4月中旬に開かれる会合においても,右合意を覆したいとしている。


(5)軍政期関係


ア 1972年に暗殺された陸軍アルバレス大佐に関し,同大佐の息子が当時の元ゲリラ・ツパマロスメンバーの8名を殺人罪で告訴。退役軍人やその家族によって元ゲリラ戦士が告訴されるのは初めてとなった。


イ 2011年10月に陸軍第14師団で遺骨の見つかった元教員フリオ・カストロ氏について,退官した警官リカルド・サバラ氏が殺人の共犯者として起訴された。現在のところ,主犯については調査中。


ウ 15日,陸軍第14師団において,軍政期の拷問により暗殺されたとみられる遺骨が新たに発見された。同遺骨は,元教員カストロ氏の遺骨の近くで発見された。


エ 21日,「ム」大統領は,ヘルマン事件(アルゼンチン人作家へルマンの息子嫁が軍政期にアルゼンチンで誘拐され,当国で身柄拘束・行方不明となった事件)につき,これまで失効法が本件調査の障害となってきたことを肯定する15分にわたるメッセージを上院議会で読み上げた。ウルグアイ政府は事実上,ヘルマン事件の道義的責任を負う姿勢を明らかにした。他方,同大統領が,軍政期に起こった人権侵害やテロ行為に関し,米州人権裁判所の判決により当国政府に求められた以上の事柄について当国政府が責任を負うとしたことや,都市ゲリラ・ツパマロスによる殺害行為については全く言及しなかったことが,野党からの反感を買った。
(6)その他
アンケート調査会社FACTUM社によると,国民の79%が「ムヒカ政権はよい方向に進んでいる」とし,18%が「悪い方向に進んでいる」と回答した。また,ムヒカ政権の政策運営に関しては,72%が「悪い」とし,25%が「良い」とした。なお,国民の最大懸念事項は,治安,薬物,教育,住宅問題となっている。

 

3 外交


(1)対日関係


20日,米州開発銀行(IDB)総会出席のためウルグアイを訪問していた日本政府代表団は,オレスケル社会開発大臣やウルグアイ青少年庁(INAU)長官と会見し,当国が行う行政能力向上プログラム,少年政策プログラムや非行少年復帰プログラム等へのIDBを通じた日本政府の融資に関し意見交換した。別途、日本基金を通じたプロジェクトの実施に関し、署名した。


(2)対アルゼンチン関係


8日付ウルグアイ外務省コミュニケは,アルマグロ外相が、アルゼンチン政府が採用している貿易障壁につき協議するための代表団の構成に関し、野党のイニシアチブを高く評価しているとし,近々同国との交渉を行うための手段について決定すると通知した。


(3)対メキシコ関係


16日,アルマグロ外相は,ウルグアイを訪問したエスピノサ・メキシコ外相と会合し,二国間関係につき確認した他,アルゼンチンによる貿易保護政策を憂慮するとする点で合意した。この他,二国間の民主主義や人権擁護に関するコミットメントを確認した。


(4)対国際機関関係


ア 9日,国連人権理事会において,リビア人権状況調査委員会による報告書をもとに,同国における人権状況が検討された。当国代表団は,右セッション中,40年にわたるカダフィ独裁政権後,同国におこっている重要な政治的変革を認めつつも,いまだに多数の人権侵害が行われ,治安の不安定化を招いていることに懸念を示した。


イ ウルグアイ政府は,9日より現在シナイ半島(El Gorah)で活動し,ウルグアイ軍も35名の兵士を派遣している国連平和維持活動(PKO)の軍隊が,テロ行為等を理由にエジプト政府から収監されている4名の囚人の返還を求めるベドウィン族の部隊により包囲されている件に関し,より上級レベルでの対話により,できるだけ早く本件を解決に導くため交渉している旨を発表した。


ウ 18~19日,米州開発銀行(IDB)の年次総会がモンテビデオ市で開催され,加盟各国の経済閣僚や中銀総裁等が当国を訪問した。日本からは石井副財務官他が総会に出席した。


エ 12日より,国際原子力機関(IAEA)プログラムのため,同ミッションがウルグアイを訪問。空港,港の入国管理局や税関等における放射線検査のための機材を供与するにあたって必要となる機材の決定をすることが今次訪問の目的。60万ユーロ程度のプロジェクトが進められる由。


オ 22日,ウルグアイが議長国をつとめる国連人権理事会において,イスラエルのガザ地区における植民の影響に関しての調査ミッションを派遣するための決議に関し,ウルグアイは賛成票を投じた。


(5)その他


ア 9日,「ム」大統領及びアルマグロ外務大臣は,ウルグアイを訪問したロンカリオロ・ペルー外務大臣と会見し,科学技術や農業,港湾,通商関連の分野における協力といった二国間の課題に関して協議を行うと同時に,地域内の問題に関しても協議した。


イ 20日,フランス南部・トゥールーズのユダヤ人学校で起こった銃乱射事件に関し,ウルグアイ政府は,フランス政府及び亡くなった4名の家族に対し,連帯と敬意の意を表するとともに,人種差別と反ユダヤ主義を強く批判した。 

 

4 社会


(1)治安


ア 2日,2011年中の犯罪統計が発表された。強盗事件については,前年比約8%増加し,殺人事件については2年連続で減少した。麻薬関係ではマリファナの押収量が前年に比べ5倍以上となったが,コカイン及びパスタバセの押収量は減少した。


イ 2日,1月及び2月の国道における交通事故統計が発表された。同期間中581件の交通事故が発生し,うち23件が死亡事故であり,29人(前年比-9人)が死亡した。カネロネス県での発生が最も多く249件,次いでモンテビデオ県の85件であった。


(2)病院における連続殺人


19日,少なくとも16人の末期患者等がマシエル病院とスペイン病院の看護師らによって安楽死させられた事件が明るみに出た。逮捕された看護師らは,患者の苦しむ姿を見ることに耐えられず殺害したなどと供述しているが,殺害された患者の中には末期患者でない者も含まれており,慎重に捜査が進められている。

 

 

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